導入事例

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導入事例 e-reverse.com

大成建設株式会社様【2】

マニフェストの登録、管理が格段に効率化。
廃棄物管理に関する業務は大幅に改善

首都高速道路の大動脈として、着々と整備が進む中央環状線。池袋と新宿、渋谷を結ぶ中央環状新宿線は、そのほとんどがトンネル道で、現在、シールド工法による新宿~渋谷間の掘削工事が進められている。この工事で排出される膨大な産業廃棄物(汚泥)のマニフェスト管理に力を発揮しているのが、リバスタの電子マニフェストWebサービス「e-reverse.com」の多量排出現場用にカスタマイズされたシステムだ。大都市の地下で進む大規模プロジェクトの現場から、その運用効果をリポートする。

シールドトンネル工事で排出される大量の汚泥

代々木シールド作業所 (2006年2月現在)

首都高速道路網は、車の流れが都心部に集中するため、最も内側を走る環状1号線は慢性的な渋滞に悩まされている。中央環状道はその渋滞緩和策として整備が進められている首都圏の環状道路の一つで、都心から8kmに位置し、計画延長47kmのうち東側および北側の26km区間がすでに完成。現在は池袋~新宿~渋谷を結ぶ中央環状新宿線の工事が進んでいる。

この路線は地域の環境に配慮して全線の約70%がトンネル構造になっており、シールド工法による工事が採用されている。シールド工法とは、シールドマシンを使って円筒形のトンネルを掘ると同時に、トンネルの外枠を組み立てていく方法だ。すでに池袋~新宿間の掘削が終わり、今は新宿~渋谷間を結ぶ代々木シールドの掘削が進められているところだ。

掘られているのは内回り、外回りの2本のシールドトンネルで、このうち内回りを担当しているのが大成・フジタ・戸田特定建設工事共同企業体(ジョイントベンチャー)。工事の基点となる代々木シールド作業所の監理技術者を務める、大成建設の谷口敦さんがこのシールド工事の概略を説明してくれた。

「私たちが担当している工区は、初台から渋谷の松見坂までの全長2660m。トンネルの深さは、最も浅いところで地表からトンネル上部までおよそ15m、深い地点では34mになります。シールド工法はこれまでにも東京湾横断道路などで行われてきましたが、都心部のインフラが整備されている地下、例えば地下鉄や陸橋の杭のさらに下をくぐっていくのが今回の工事の特徴だと言えます」

シールドマシンは長さ12.34m、外径が13.06m。約1300個のカッターが装備され、1分間に約2cmの速度で掘り進む。そして掘り進みながら、同時にセグメントというパーツを組み立てていく。セグメントを10個組み合わせると大きなリングができ、これがトンネルの外枠になるのだ。セグメント1個の幅は1.2m。1日に平均4リングから5リング、距離にして5mほどのトンネルの外枠を完成していくわけだ。

この現場で使われているシールドマシンは泥水式といい、送泥管で掘削地点に泥水を送り、掘った土は泥水に混ぜ、排泥管を通して土砂処理プラントまで流体輸送する。そこで土砂と泥水を分離し、泥水は再び掘削場所に送って循環させる仕組みだ。だが、排出される膨大な量の土砂はどのように処理されているのだろうか?

「土砂処理プラントでは、振動篩で土砂を分離し、回収された土砂は一般の残土として、埋め立てや宅地造成など有効利用できるところに運搬します。しかし、循環させている泥水が濃くなって粘土分が多くなってくると、パイプ輸送が困難になるので、脱水処理する必要が出てきます。この際に無害ですが凝集剤(ポリ塩化アルミニウム)を使って中間処理をするため、この土は産業廃棄物つまり汚泥になります。掘り出される土砂は約35万m³で、うち約8万m³が汚泥。重さにして毎日200~300トン、多い日にはダンプカー50台から60台分の汚泥が排出されるわけです」(谷口さん)

大規模なトンネル工事に伴って排出される膨大な産業廃棄物、汚泥。そのマニフェスト管理に力を発揮しているのが、リバスタの電子マニフェストASPサービス「e-reverse.com」だ。

導入事例 写真管理技術者 谷口敦さん

マニフェストの登録、管理が格段に効率化

導入事例 写真工事課長 下田中貞夫さん

マニフェスト管理を紙の伝票で行う場合、排出事業者はマニフェスト伝票への必要事項の記入・押印・回収・照合などの手間がかかるうえ、7枚綴りになっている伝票のうちA、B2 、D、E票を5年間保管する義務を負わなければならない。一方、処理業者にもマニフェスト伝票の回付・送付の手間がかかると同時に、B1、C1 、C2 票の5年間の保管が義務付けられている。作業が面倒なうえに、伝票への記入漏れや紛失などのリスクがどうしても伴ってしまうのだ。「紙マニフェストの場合、大規模な工事では、大きな箱が何箱もマニフェスト伝票でいっぱいになります。

保管義務があるので、それを5年間保管しなければいけません。工事が終わるとそれをわざわざ別の場所を確保して保管しておく必要もあるわけです。また、細かいことを言えば、処理業者からの返送が遅れるなど、マニフェスト伝票の回収が滞ることもありました」と、代々木シールド作業所でマニフェスト管理を担当する戸田建設の工事課長・下田中貞雄さんは言う。

こうしたトラブルを解消するために、マニフェスト管理を電子データで行う仕組みが、電子マニフェストだ。ところが電子マニフェストデータを排出事業者が直接財団法人日本産業廃棄物処理振興センターが運営するJWNETに登録しようとする場合、JWNETが平日と土曜日の午前8時から午後8時までしか運営していないため、日曜・祝日や夜中の排出に対応できないという不都合な面がある。また、すべての業界で使用されるシステムであるため、各業界ごとの事情を考慮した仕様とはなっていない。さらに社内のシステムと連動できないため、同じマニフェストデータをJWNETと社内システムの両方に入力しなければならないという二度手間も起こる。

そこで建設業界に特化し、排出事業者にも収運・処理業者にも運用しやすい最適なシステムとして開発されたのが、リバスタの電子マニフェストASPサービス「e-reverse.com」。24時間365日運用可能で、簡単なオペレーション処理によるリアルタイムでのマニフェスト発行を可能にしているのが特徴だ。

「紙マニフェストの場合、担当のオペレーターがA票からE票までを切り取り、貼って、確認し、それを毎日毎日30枚も40枚も作っていかなければいけない。非常に非効率で、それだけ時間もコストもかかります。また、施主の検査や社内のパトロールを受けるたびに、毎月整理して報告しなければならず、そのたびに1日がかりで集計するという手間もかかっていました。e-reverse.comを使えば非常に効率的ですし、排出した廃棄物がきちんと処理されたかどうかが瞬時にわかるので、チェック機能の面でもメリットが大きいと思います」(谷口さん)

とくに代々木シールド作業所では、汚泥という限られた廃棄物がしかも大量に排出されるため、「e-reverse.com」を多量排出現場用にカスタマイズして運用している。

排出される廃棄物の種類が決まっており、トラック毎に収集運搬業者や運転手が特定されているため、あらかじめ車両マスタを登録しておけば、担当者は車両番号と廃棄物の数量を記入するだけで、マニフェストデータが登録できる仕組みだ。汚泥を回収するトラックが出入りするゲート内にパソコンを設置し、ここで担当者が「e-reverse.com」を通じてマニフェストデータの入力を行う。といっても、トラックが搬出する際に、車両番号と数量を入力して連絡票を出力、あとは送信ボタンをクリックするだけだ。

その後、排出事業者の担当者が作業事務所のパソコンで「e-reverse.com」を画面を開き、入力されたマニフェストデータの一覧を、出力された連絡票を使って確認し、承認。これだけでJWNETへのマニフェスト登録は完了する。

「同じような登録・承認作業を紙マニフェストで処理していたら、毎日2、3時間はかかっていたと思います。トラック40台、50台分について、1台ごとにマニフェスト伝票を1枚1枚書き込まなければいけないわけですから。今は20~30分程度ですみますから、手間は少なくとも5分の1以下に短縮されていると思います。このシステムなら、車両番号を入力すれば車両の所属会社、運転手名などが自動的に表示され、あとは数量を確認するだけですから、とても楽ですよ」(下田中工事課長)

マニフェスト登録だけでなく、社内における廃棄物排出実績の報告も飛躍的に改善された。大成建設ではE-DAMという環境管理データシステムを開発・運用しているが、「e-reverse.com」はE-DAMにも連動。「e-reverse.com」を通してJWNETにマニフェスト登録したデータは、自動的にE-DAMにも送信されるため、改めて作業所にて廃棄物排出実績のデータをE-DAMに入力する手間が省略できるのだ。

また施主に対する報告に際しても、これまでは膨大なマニフェスト伝票と集計票を必ず持参しなければならなかったが、 「e-reverse.comを導入するにあたって、施主側と協議をしてご理解いただき、今は集計票をアウトプットしたものを持参して説明するようにしています」(谷口さん)

様々な面で廃棄物管理に関する業務は大幅に改善されたことは間違いないようだ。

収集運搬業者、処理業者にも大きなメリットが

首都高速中央環状新宿線でシールドマシンによる掘削が始まったのは2003年12月。大成建設が代々木シールド作業所で「e-reverse.com」による運用を開始したのは、その半年後の2004年6月のことだ。紙マニフェストから電子マニフェストASPサービスへの移行に、収集運搬業者などからの抵抗感や混乱などはなかったのだろうか。

「現場の収集運搬業者さんは従来のやり方に慣れていますから、やはり最初は抵抗がありました。私達は社内のイントラネットなどで慣れていて、コンピュータでのデータ管理が当たり前のようになっていますが、他の業者さんたちはパソコンやモデムの用意から始めるわけですから。しかし、実際に「e-reverse.com」を使い始めてからは、作業がずっと楽になっているようです」(谷口さん)

実際に、電子マニフェスト運用に携わっている収集運搬業者の現場担当者に聞いてみた。ゲート内の小さな仮設小屋を訪れると、そこには小型のノートパソコンが置かれ、トラックで汚泥を運び出すごとに、担当者が「e-reverse.com」の多量排出現場用ソフトの画面を使って、データを入力していた。

「入力は簡単で、最初から戸惑うことはありませんでした。紙マニフェストの頃に比べて、伝票を書き込む手間がなくなり、とても楽になりましたね。運転手も伝票を持ち運ばなくてもよくなったので、助かっていると言っています。」と収集運搬業者の現場担当者。導入前には抵抗感があっても、実際に導入してみると操作が簡単で、思いの外スムーズにいくということなのだろう。

「このシステムが標準化して、収集運搬業者さんや処理業者さんにもっと広く普及していけばいいと思いますね。私自身、もし同じ工事をやるとしたら、絶対にこのシステムを使いたいですから(笑)」と谷口さん。

「e-reverse.com」の導入は、排出事業者側だけでなく、収集運搬業者や処理業者にもメリットが大きいはずだという。

「収集運搬業者さんも処理業者さんも、間違いなく効率化されてコスト削減につながるはずですし、記入漏れや紛失など人的なミスもなくなります。これだけパソコンが普及していますから、導入にはさほど障壁はないと思います。」(谷口さん)

将来的には、「e-reverse.com」に入力されたマニフェストデータをもとに、委託処理費の決済もパソコン画面上で行える電子決済の普及も期待される。

首都高速中央環状新宿線の開通によって首都高速の渋滞が緩和され、車の流れがスムーズになることが期待されるのと同様に、電子マニフェストASPサービスが普及することで、産業廃棄物のマニフェスト管理も飛躍的にスムーズになるに違いない。

ユーザー概要

社名 大成建設株式会社
URL https://www.taisei.co.jp/
事業内容 建築・土木の設計・施工、環境、
エンジニアリング、原子力、都市開発、不動産
所在地 東京都新宿区西新宿一丁目25番1号
設立 創業 1873年
設立 1917年
資本金 1,227億円

インタビューご担当者様

大成建設株式会社
管理技術者
谷口敦氏
大成建設株式会社
工事課長
下田中貞夫氏