導入事例

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導入事例 e-reverse.com

株式会社長瀬土建様

紙マニフェストの現場でもe-reverse.comで管理
書類管理の簡略化で業務効率の向上に貢献

岐阜県高山市を中心に飛騨地方で土木工事などを広く手掛ける工事会社、株式会社長瀬土建。リバスタの電子マニフェストサービスであるe-reverse.comを採用し、ほぼすべての現場で活用してペーパーレスや働き方改革の推進に効果を挙げています。業者が電子マニフェストに対応していない場合にも紙マニフェストを電子化して管理することで、集計作業を大幅に効率化することに成功しています。

導入前の課題

紙マニフェストの管理が大きな負担に
業務を効率化するには電子化が不可欠だった

長瀬土建は、昭和34(1959)年の設立から60年以上にわたり、高山市を中心とした飛騨地方で、地域に密着した仕事を手掛けています。
道路や河川、構造物などの土木工事を中心とし、雪の多い地域ならではの除雪業務にも対応しています。2021年7月に発生した豪雨で地域交通の要である国道41号の路面が崩落した際には、地域の同業者たちとともに24時間体制の復旧工事に従事し、迅速な再開通に寄与しました。

「地域社会と連携した活動にも力を入れています。工事現場に地元の保育園児や小中学生を招き、建設工事の施工状況の説明や建設機械の実演を行って建設業の魅力や意義を発信したり、地域のボランティア活動にも積極的に参加したりしています」と、同社工事部部長の北出隆氏は説明しています。

国連が掲げる持続可能な開発目標であるSDGsに関しても数年前から力を入れており、森林環境保全などの活動のほか、業務のペーパーレス化にも取り組んでいるといいます。その一環として着目したのが、産業廃棄物の紙マニフェストを削減することでした。長瀬土建のマニフェスト発行枚数は工事の内容で大きな変動があり、月に数枚のときもあれば100枚を超えることもあります。紙マニフェストに関する事務作業は社員たちの大きな負担となっており、働き方改革の観点からも改善が求められていました。総務部の見座垣内奈緒子氏は、当時の状況をこう振り返ります。

「紙マニフェストは事業ごとに、あらかじめ現場名などを記入して用意しておきますが、枚数が多くなる現場では途中で不足することがないよう、多めに用意する必要があり、1日がかりとなる場合もありました。現場によっては急に用意するよう求められて追加で発行したこともあります。伝票が戻ってくれば集計しなければなりませんが、E票などは戻るまで時間がかかる上に、ときには紛失に伴う後始末にも手間を取られていました」

戻ってきた伝票を廃棄物の種類に応じて区分けして整理する際、同社では作業を溜め込まないよう定期的に作業をしていたといいます。こうした事務作業は総務部だけでなく、現場事務を担当する工事部の社員も協力して行っていました。工事部の松田香奈江氏もその一人です。

「紙マニフェストの整理には1日30分から1時間ほどかかっていました。工事によっては、完成検査を前にまとめてマニフェストを整理しなければならない場合もあります。廃棄物の処理と完成検査の日付が近い現場では、書類を整理する時間が足りず、大変でした。使う枚数が事前に分からないことも、仕事の上では厄介でした。2トン車でも10トン車でも1回に1枚が必要なため、運搬業者のトラックによって使用する枚数が大きく変わってしまいます。用意していた紙が余った場合は別の現場で再利用する事務作業もあり、余計に手間がかかっていました」(松田氏)

導入の経緯

電子化のメリットを知って導入を決定
使いやすい操作感ですぐに現場へ浸透

これらの課題の解決に向けた方策として、マニフェスト電子化を決めました。

「電子マニフェストのメリットを知ったのは、2016年の現場で元請が使っていたことがきっかけです。このときリバスタ(当時のイーリバースドットコム)の営業担当から説明を受け、まず収集運搬事業者としてe-reverse.comの利用を始めました」と、見座垣内氏はマニフェスト電子化の経緯を説明します。

その後、電子マニフェストが次第に普及し、長瀬土建と取引のある処理業者もe-reverse.comを使うようになってきたことから、排出事業者としても利用を開始しました。2020年には特に産業廃棄物の処理量が多い工事があり、このときから全面的な活用に取り組んでいます。最近では産廃処理委託契約サービスであるer-contractの利用も開始し、活用の幅を広げています。

なお、長瀬土建ではリバスタのサポート窓口へ相談することなく、e-reverse.comを使いこなしています。リバスタの営業担当による説明を受けることもあるそうですが、ほとんどは自分たちで使いながら覚えていきました。

「マニュアルが分かりやすく自分たちで使い方を覚えることができました。オンラインヘルプも充実しており、使っていて操作方法で分からない点があってもほとんどは自力で解決できています」(見座垣内氏)

導入効果

電子化で伝票管理の効率化を実現
年次集計作業に費やす期間も大幅削減

e-reverse.comの活用で電子マニフェストに対応する処理業者との仕事の事務負担は大幅に軽減されました。

「電子マニフェストでの仕事ではまず伝票の準備が不要となり、伝票が余ったり足りなかったりすることがありません。伝票を整理したり、保管したりする必要もなく、一連の作業負担は劇的に減りました。紛失の心配や手作業でのミスもなくなり、ミスが発覚したときの手戻りもありません。e-reverse.comは処理の進捗状況や終了期限なども把握でき、効率的な管理を実現できました」(見座垣内氏)

長瀬土建だけでなく、運搬業者などにも導入効果は波及しています。紙マニフェストではドライバーがいちいち伝票を受け取るため事務所まで来てもらう必要がありましたが、そうした作業も不要となりました。

とはいえ、現状では処理業者のマニフェストの電子化率は3割ほどのため、紙マニフェストを扱う業務はあまり減っていません。特に長瀬土建が担当することが多い公共工事案件は、基本的に発注元が処理業者をあらかじめ指定しているため、紙マニフェストでの仕事となる場合も少なくありません。それでも、e-reverse.comへのマニフェスト情報入力により、その後の集計作業には効果が出ているといいます。

「紙マニフェストの集計作業は他の業務の合間に行っており、例年だと1カ月半ほどの期間が必要でした。しかし、e-reverse.comのおかげで社内管理が楽になり、今では1カ月かからずに完了できます。こうしたデータは一覧表として表示できるので確認もしやすく、Excelに出力する機能もあるので、他分野でのデータ利活用も容易です」(見座垣内氏)

そして、処理状況が把握しやすくなったことは、発注者への説明にも役立っています。「受注者として、産業廃棄物処理の状況を発注者に説明しやすくなりました。システムで管理している情報ですから透明性があり、廃棄物処理業務の信頼性が確保できています」と北出氏は言います。

また、廃棄物処理委託に関する契約を電子化するercontractも、郵送が不要となるため事務負担が軽減され、郵送費や印紙代も不要、紙の節約といった効果をもたらしました。

今後の展望

ほぼすべての現場でe-reverse.com を活用へ
さらなる導入効果を期待

長瀬土建では今後も、e-reverse.comを積極的に活用していく方針とのことです。

「活用できる現場では、基本的に全てe-reverse.comを使おうと考えています。とはいえ現状では、まだ期待した効果の一部しか得られていません。運搬業者や処理業者にさらに波及していくことでより大きな効果が得られることを期待しています」(北出氏)

ユーザー概要

社名 株式会社長瀬土建
URL https://www.nagase-const.com/
事業内容 土木一式工事/とび/土木/コンクリート工事/舗装工事/造園工事/管工事/林業/久々野町下水道指定店
所在地 岐阜県高山市久々野町久々野1559番地
設立 1959年
代表者 代表取締役 長瀬雅彦
資本金 2,000万円
売上高 8億円~12億円

インタビューご担当者様

株式会社長瀬土建
工事部 部長
北出隆氏
株式会社長瀬土建
工事部
松田香奈江氏
株式会社長瀬土建
総務部
見座垣内奈緒子氏