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建設リサイクル法におけるコブリス・プラス対象工事とは?義務・帳票・自治体の活用例まで解説

建設リサイクル法の施行により、一定規模以上の工事では、廃棄物の分別解体や再資源化が義務付けられています。そして、その際に必要となる各種帳票の作成や情報管理を効率化できるのが、「コブリス・プラス」です。

この記事では、建設リサイクル法の対象工事と義務内容をわかりやすく整理するとともに、コブリス・プラスで作成できる帳票、さらに自治体ごとの運用ルールも解説します。現場担当者や元請業者の方はもちろん、これからコブリス・プラスの導入を検討している方も、ぜひ参考にしてください。

「産廃担当者が知るべき廃棄物処理法」を1冊にまとめました

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新しく産廃担当者となった方向けに、廃棄物処理法を中心に知っておくべきことを簡単に紹介します。

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0.この記事はこんな読者におすすめ

  • コブリス・プラスの対象工事について知りたい方
  • コブリス・プラスでどんな帳票を作成できるか知りたい方
  • 自治体ごとに異なるコブリス・プラスの活用例が知りたい方
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1.建設リサイクル法の対象工事と義務内容

建設現場では、解体工事や新築・リフォーム工事などの際に大量の廃棄物が発生します。これらの廃棄物を適切に処理し、再資源化を促進するために制定されたのが「建設工事に係る資材の再資源化等に関する法律」、いわゆる建設リサイクル法です。この法律では、一定規模以上の工事において、資材ごとの分別解体や廃棄物の再資源化や関係書類の提出などが義務付けられています。

建設リサイクル法の対象工事

コンクリートやアスファルト、木材といった特定建設資材を含む建物や工作物について、以下のいずれかに該当する場合は、建設リサイクル法の対象工事となります。

工事の種類 事前届出が必要となる条件
建築物の解体工事 床面積80㎡以上
建築物の新築または増築工事 床面積500㎡以上
建築物の修繕・模様替等工事(リフォーム等) 請負代金が1億円以上
建築物以外の工作物の工事(土木工事等) 請負代金が500万円以上

建設リサイクル法の対象工事に該当するか不明な場合は、工事を実施する自治体に事前に確認しましょう。

対象工事に該当する場合の義務

対象工事に該当する場合、主に次のような義務が発注者や受注者に課せられます。これらを怠ると、行政指導や罰則の対象になる場合があります。

  • 事前届出:
    発注者は工事開始の7日前までに、都道府県知事に工事内容の届出が必要です。
  • 分別解体・再資源化の実施:
    工事現場では、コンクリートや木材などの特定建設資材や発生する特定建設資材廃棄物を種類ごとに分別し、可能な限り再資源化する必要があります。
  • 現場標識の掲示:
    建設リサイクル法の対象工事であることを明示する標識を、工事現場に掲示しなければなりません。
  • 工事完了時の報告・記録保存:
    工事が完了した際、受注者は分別解体や再資源化の実施状況を発注者へ報告し、一定期間記録を保存する必要があります。

コブリス・プラスの対象工事との関係

コブリス・プラスとは、建設副産物に関する情報などを受発注者間で効率よく共有するためのシステムで、旧コブリスに代わって2025年5月に運用が開始されました。国や自治体も積極的に活用を推奨しており、現場の規模や工事内容によっては、コブリス・プラスの利用が事実上の標準となっている地域もあります。具体的に、どのような帳票をコブリス・プラスで作成できるのか、また対象工事の詳細については、次章以降で詳しく解説します。

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2.建設リサイクル法で必要な帳票とコブリス・プラスの対応関係

2025年5月にサービスを開始したコブリス・プラスでは、以下のような建設リサイクル法で必要な帳票を作成可能です。

  • 再生資源利用計画書
  • 再生資源利用促進計画書
  • 現場掲示用の計画書(PDF形式)
  • 再生資源利用実施書(実施結果報告書)
  • 再生資源利用促進実施書
  • 建設リサイクル法第11条通知書

これらの帳票は、Web上で入力項目に沿って情報を入力するだけで自動生成でき、紙ベースでの手間やミスを大幅に削減できます。その他にも以下のようなメリットがあることから、建設リサイクル法に関する帳票作成ツールとして、全国的に標準的なシステムと位置づけられています。

  • 行政や発注者との情報共有がスムーズに行える
  • 現場掲示用の書類も簡単に出力できる

コブリス・プラスを上手に活用することで、工事現場での事務負担を減らしつつ、法令遵守やスムーズな現場対応を実行することが可能です。

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3.自治体ごとに異なるコブリス・プラスの利用ルール

コブリス・プラスは、建設リサイクル法に関する帳票作成ツールとして全国的に普及が進んでいますが、その運用ルールは全国一律ではありません。特に、公共工事を中心にコブリス・プラスの利用を義務づけている自治体がある一方で、任意利用にとどまっている自治体もあります。

また、登録が必要な工事の金額や対象範囲も、自治体ごとに細かく定められている場合が多いため注意が必要です。ここでは、代表的な自治体の具体的な対応状況をご紹介します。

横浜市

横浜市では、再生資源の利用や建設副産物が発生する工事について、コブリス・プラスへの登録が義務付けられています。対象となるのは、横浜市が発注する再生資源を利用または建設副産物が発生する請負金額100万円以上の工事です。この条件に該当する場合、JACIC(一般財団法人日本建設情報総合センター)が運営するコブリス・プラスに登録し、必要な帳票を作成・提出する必要があります。

神戸市

神戸市では、一定規模以上の工事において、再生資源利用促進実施書の提出が必要です。この実施書の作成には、コブリス・プラスというシステムを活用することができ、従来の紙ベースでの手続きと比べて大幅に作業負荷が軽減できます。

対象となる工事

以下のいずれか1つでも該当する工事です。

  • 建設リサイクル通知の対象工事
  • 資源有効利用促進法に基づく計画作成の対象工事
  • 2024年度中に完成し、かつ請負金額100万円以上のすべての工事

これらの工事に該当する場合、工事完了後に再生資源利用促進実施書を作成し、通常は神戸市の工事監督員を通じて環境局環境保全課へ提出する必要があります。ただし、元請業者(請負人)がコブリス・プラス上で実施書を作成した場合、紙での提出は不要です。コブリス・プラスの利用は義務ではないものの、利用することで書類の提出手続きが簡素化でき、ミスや提出漏れのリスクも軽減できるため、活用が推奨されています。

鹿児島県

鹿児島県では、県土木部が発注する公共工事において、再生資源利用計画書や再生資源利用促進計画書の提出が求められています。これらの帳票については、コブリス・プラスの利用が推奨されており、システムを活用することで、効率的かつ正確な作成・管理が可能です。

対象となるのは、県土木部が発注するすべての公共工事です。工事の規模や建設副産物の発生量に関係なく、再生資源利用計画書や再生資源利用促進計画書を、施工計画書に含めて提出する必要があります。

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