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産業廃棄物の「動植物性残さ」とは

産業廃棄物の種類の一つである「動植物性残さ」。あまり耳なじみのない言葉だからこそ、どのようなものがその対象となるのか、またその処理はどのように行えば良いのか、具体的にイメージしづらいという方も多いのではないでしょうか。今回は動植物性残さについて、詳しい定義や処理方法について詳しく解説していきます。

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「産廃担当者が知るべき廃棄物処理法」を1冊にまとめました

新しく産廃担当者となった方向けに、廃棄物処理法を中心に知っておくべきことを簡単に紹介します。

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1. 動植物性残さとは

はじめに、動植物性残さの定義とその実例について見ていきましょう。

動植物性残さの定義

産業廃棄物における動植物性残さとは、特定の業種の製造工程から排出された、動植物を原料として使用した固形状廃棄物のことです。

特に注意が必要なのは、特定の業種と記載されている部分です。この特定の業種とは、食料品製造業、医薬品製造業、香料製造業のことを指しており、例えばレストランのような飲食店などからも動植物性残さは排出されますが、これらは事業系一般廃棄物として扱われ、産業廃棄物にはあたりません。

また、固形状廃棄物と記されているところもポイントの一つです。例えば食料品製造業の製造工程から排出された固形状廃棄物は動植物性残さですが、液状や泥状で排出されたものは動植物性残さではなく、廃油や廃油、廃酸、廃アルカリ、汚泥など、別の産業廃棄物として扱われるため注意が必要です。

動植物性残さの例

動物性残さの具体的な例としては、動物や肉、魚の骨や内蔵、卵から、貝殻、羽毛などがあります。

植物性残さの具体例としては、野菜くず、大豆かす、酒かす、コーヒーかす、ビールかす、茶かすなどがあります。

珍しい事例でいえば、医薬品製造業において漢方を製造するために植物のエキスを抽出した場合、その残りかすは植物性残さであり、産業廃棄物の動植物性残さとして処理しなければなりません。

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2. 動植物性残さの再資源化方法

動植物性残さの年間排出量は2,429千トンで、産業廃棄物全体に占める割合は0.6%となっており、排出量が多い種類ではありません。また処理の方法としても、再生利用が71%、減量化が27%、最終処分が2%となっており、産業廃棄物の中では扱いやすい部類といっても良いでしょう。以下に、動植物性残さの再生利用方法について紹介します。

メタン発酵

メタン発酵とは、動植物性残さを微生物に分解させ、バイオガスを発生させる再資源化方法のことです。バイオガスはメタンを主成分としていますが、このメタンは発熱量が高く、ガスエンジンや発電設備の燃料として活用することができます。

飼料化

飼料化とは、動植物性残さを加工することで、家畜などのエサとなる飼料を作り出す再資源化方法のことです。産業廃棄物を減らすことはもちろんですが、飼料自給率の向上にも寄与してくれるため、非常に有益性の高い再資源化方法の一つといえるでしょう。その分、異物の除去や残さの品質維持など、レベルの高い分別方法の普及や、飼料製造のための体制を整えておくことが必要となります。

肥料化

肥料化とは、動植物性残さを微生物に分解・発酵させ、農地などの土を活性化させる肥料に作り替える再資源化方法のことです。再資源化の方法としては比較的簡単であり、特に近隣で農業を行っているなど、肥料を必要とする場所が多くある場合に好まれる再資源化方法です。

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3. 動植物性残さのその他処理方法

再生資源化に適していない動植物性残さは、焼却処分や埋立処分が行われます。

焼却処分

焼却処分とは、その名の通り動植物性残さを焼却することで処理する方法のことです。焼却処分を行う際は、委託先の焼却施設が動植物性残さの焼却に対応しているのか、また一日の処理能力として十分なものであるかをしっかりと確認するようにしましょう。

埋立処分

動植物性残さの埋立処分を行う場合、管理型最終処分場の利用が必須となります。管理型最終処分場とは、動植物性残さをはじめ、廃油や紙くず、ばいじんや汚泥などを処分するための施設で、埋め立てた廃棄物の中を通った雨水などが周辺の土壌や地下水に影響を与えないよう対策が整えられているのが特徴です。最終処分場には、この管理型の他に安定型と遮断型という二種類がありますが、誤った最終処分場で処分してしまわないように注意しましょう。

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