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法令コラム

産業廃棄物の「金属くず」とは

産業廃棄物の種類の一つに「金属くず」というものがあります。金属くずは、数ある産業廃棄物の中でもリサイクル率がかなり高く、だからこそしっかりと定義を理解し、正しい扱い方をしていかなければなりません。ここでは、産業廃棄物における金属くずの定義とその処理方法などについて、詳しく解説していきます。

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産廃担当者が知るべき廃棄物処理法

新しく産廃担当者となった方向けに、廃棄物処理法を中心に知っておくべきことを簡単に紹介します。

1. 金属くずとは

まずは産業廃棄物における金属くずの概要について見ていきましょう。

金属くずは産業廃棄物の1種目

廃棄物処理法では、産業廃棄物は20種目に分けられており、その中の一つの種類として、金属くずがあります。金属くずはその名の通り金属系のくずのことを指しますが、例えば空き缶や研磨くず、切削くずに金属スクラップなど、その中身は多種多様で、鉄鋼や非鉄金属の製造や加工の際に排出されたり建築廃材から排出されたりと、排出されるシーンは決して少なくありません。

金属の種類

金属くずは、鉄が主成分となっている「鉄くず」が主流です。しかし、それ以外にも銅や真鍮、アルミやステンレス、さらにはレアメタルなどが金属くずに含まれており、これらは非鉄金属と呼ばれています。

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2. 鉄くず(鉄スクラップ)の種類

金属くずの主流は「鉄くず(鉄スクラップ)」ですが、一口に鉄くずと言っても、細かく分類がされています。

発生源で分類する

鉄くず(鉄スクラップ)の分類方法の一つが、発生源で分類する方法です。
この方法では、はじめに鉄鋼メーカーなどで製鋼や製品加工の際に発生する鉄くずを「自家発生スクラップ」、製品として市中に出回ったあとに排出される鉄くずを「市中スクラップ」と分類します。
さらに市中スクラップは、製鋼を用いて機械や車などを製造する際に排出された「工場発生スクラップ」と、建築物の解体や廃車の解体、使用済みの鉄製品などから排出される「老廃スクラップ」へと分けられます。

鉄の種類で分類する

発生源で分類する方法以外では、鉄くずに含まれる鉄の種類で分類する方法もあります。
この方法では、鉄くずの品質や用途によって、以下のように分類されます。

分類 銑(せん)くず 鋼(はがね)くず
種類 上銑くず
並銑くず
可鍛鋳(ちゅうたん)鉄銑くず
炭素鋼くず
低銅炭素くず
低りん・低硫・低銅炭素鋼くず
合金鋼くず
雑用鋼くず

こうした鉄くずは溶解されて再利用されたり、海外へと輸出されたりしています。

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3. 鉄くず(鉄スクラップ)の具体例

鉄くずの種類について解説してきましたが、ここでは、鉄くずの具体的な例について紹介していきましょう。

建築系スクラップ

構造物の建築工事の際に発生する金属スクラップの総称で、新品の切れ端や未使用品などが多いです。

自動車系スクラップ

廃棄された自動車をスクラップとして扱う場合に用いられる分類・名称です。自動車にはさまざまな金属製品が使用されているため、解体をして、シュレッダー処理され、リサイクルするのが一般的です。

機械スクラップ

金属が使用された機械がベースとなった、スクラップの一種。元となっているものによって、リフト系スクラップや建設機械系スクラップ、農機具系スクラップなどと呼ばれることもあります。

工具スクラップ

スパナやモンキーといった手動工具のスクラップで、中古品としてリユースされない場合、鉄スクラップとして取り扱われます。

新断スクラップ

自動車や金属製品の製造をする工場において、打ち抜きやプレス加工など、鉄の板を加工する際に発生することが多い金属くずです。

鉄のダライ粉

ダライ粉や切粉、カット粉やパーマ屑など、切削によって生じた金属くずのことです。主に金属製品や部品の加工工場で発生します。

鉄筋屑

主に解体工事の際に発生する鉄筋のことを指す鉄スクラップで、コンクリートの工作物を解体した際に出るものは、コンクリートの付帯に注意が必要です。

スチール缶プレス

スチール缶などの飲料缶をプレス加工した鉄スクラップで、主に金属リサイクル工場で発生します。

ドラム缶

ドラム缶に代表される、油や液体を保管する容器系スクラップのことで、ガソリンスタンドや向上などから発生します。その性質上、内部に残液がなく、また内部が見える状態にしておくことが理想とされています。

グレーチング

建物の付帯設備や道路の側溝の蓋として使用されることが多いグレーチングは、薄鉄板と同じく、変形などが著しくない限り、再利用されることがほとんどです。

チャンネル材スクラップ

建築材料や鉄鋼用の製品を作る際の材料として使用されており、基本的には新品状態で市場に出ています。

ビス屑、ネジ屑、ナット屑、ボルト屑

ビス、ネジ、ナット、ボルトなどの部品材料で、これらを総称して金属材料スクラップと呼ぶこともあります。基本的には鉄スクラップとしての扱いですが、中にはアルミやステンレス、真鍮などでできているものもあり、その場合は鉄スクラップより価値が高くなるため、仕分けた方がメリットは大きくなります。

ワイヤースクラップ

針金のような金属を束ねてワイヤーにしたスクラップのことで、強度の高い吊り具などで使用されています。そのままで活用することは難しく、長さがある場合などは切断加工が必要になります。

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4. 排出場所

次に、金属くずの主な排出場所について解説していきます。

工場

工場で生産している品目によって差はありますが、工場は金属くずが排出されやすい場所です。特に金属系の製品をつくっているところであれば、日々大量の研磨くずや切削くずが排出されるでしょう。

小売店

一般的な小売店でも、商品陳列用の棚などの備品に金属が用いられているケースが多く、商品構成を変更したり、店内の模様替えなどを行う際には、大量の金属くずが排出される可能性があります。また店舗の退店や閉店などの際には、より多くの金属くずが排出されるでしょう。複数の店舗が入ったテナントの場合、排出のタイミングがそれぞれ重なることで、一気に大量の金属くずが排出されることもあります。

大型施設

大規模なチェーン店やショッピングモールなどの大型施設の場合、ブランドやロゴを変更するだけでも全店舗を通して大規模なリニューアルを行わなければならず、それに合わせて設備や備品などの金属くずが大量に排出されることがあります。また病院のような施設でも、ベッドやロッカーといった備品が数多く使われており、買い替えのタイミングや院内のリニューアルを行ったりすると、多くの金属くずが排出されるでしょう。加えて、近年は電子カルテの導入も進み、紙カルテを収納していたキャビネットが金属くずとして排出されるケースも多くなっています。

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5. 処理方法

金属くずの処理方法は、大きく分けて「リサイクル処理」と「埋め立て処理」の2種類があります。それぞれ解説していきましょう。

リサイクル処理

金属くずの排出量は年間8,221千トンで、産業廃棄物全体に占める割合では2.1%となっています。処理方法の比率として、再生利用が92%、減量化が6%、最終処分が2%となっており、排出された金属くずのほとんどがリサイクル処理をされていることになります。この数字は産業廃棄物の中でもかなり高い水準となっており、がれき類の97%、動物のふん尿の95%に次いで、リサイクル率が高い廃棄物です。そして主なリサイクル処理としては、廃棄物の中から金属部分を取り除いて回収する金属回収と、不純物が多い金属を精錬する金属精錬があります。

金属回収

金属回収とは、廃棄物の中から鉄や銅、金や銀といった金属を取り出し、回収するリサイクル処理方法です。例えばパソコンのプリント基板に金や銀が含まれているなど、意外な製品から金属が回収できるケースも少なくありません。

金属精錬

不純物を多く含む金属を精錬し、高純度な金属を取り出すことを、金属精錬と言います。アルミニウムや鉄といった金属は、何度でも精錬することができるため、リサイクルに非常に適した金属と言えるでしょう。

埋め立て処理

金属回収や金属精錬といったリサイクル処理に適していない金属くずは、埋め立て処理が行われます。金属くず(自動車等破砕物などの法令で例外的に指定されているものは除く)は、雨水等にさらされてもほとんど変化をしないことから「安定型産業廃棄物」に分類されており、安定型最終処分場が用いられます。ただし、埋め立て処理を行う金属くずは、先述した通り全体の数パーセント程度しかなく、金属くずの処理方法としては最後の手段と言っても過言ではありません。ちなみに安定型最終処分場に埋め立てられる安定型産業廃棄物は、金属くずの他に、ゴムくずやガラスくず、がれき類などがあります。

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