鈴与三和建物株式会社
多量排出行政報告を「マニュアルレス」で引き継ぎ
属人化と事務負担を解消し、現場に集中できる環境へ
電子マニフェストサービス「e-reverse.com」のユーザーであった鈴与三和建物は、2022年3月にオプション機能である「多量排出行政報告支援サービス」を導入。これまで紙ベースで行われていた自治体への多量排出行政報告をデジタル化し、事務作業の負担軽減を実現しました。さらに、画面のガイダンスに従うだけで業務を完了できるため、担当者の引き継ぎもスムーズになり、属人化しやすい年次業務の標準化にも成功しています。
導入前の課題
自治体ごとの様式、集計、転記、郵送など
紙ベースの多量排出行政報告が大きな負担に
鈴与三和建物は、オフィスビル・マンションの企画・設計施工から、不動産仲介、建物管理までをワンストップで手掛ける総合不動産・建設企業です。営業、工事、設計、アフターサービスの各部門を擁し、約170名の社員が在籍しています。
建設業では、工事に伴いさまざまな産業廃棄物が発生します。現場ごとに廃棄物の種類や運搬ルートが異なり、処理業者との契約やマニフェストの管理が欠かせません。同社でも現在、東京都と川崎市の現場を中心に産廃管理を行っており、現場によっては数十通りもの運搬ルートが存在することもあります。こうした産廃管理に加えて、一定量以上の産業廃棄物を排出する事業者には「多量排出事業者」として、自治体への報告義務が課せられています。廃棄物の減量や処理に関する計画と実施状況を毎年度6月末までに報告しなければなりません。
この多量排出行政報告は、報告先の自治体によって様式が異なるため、自治体ごとの様式をダウンロードし、1年分のマニフェストデータを手作業で集計して転記する必要があります。また、年に1度の業務であるため手順が定着しにくく、「その人だけが分かっていればいい業務」として属人化しやすい傾向にあり、担当者が退職すれば、何をどうすればいいのか誰も分からないという事態に陥りかねません。
鈴与三和建物でも状況は同様でした。以前はExcelで細かい集計表を作成し、それをもとに書類を作成して、分厚い束を自治体へ郵送していました。同社工事部の東海林容子氏は、当時の前任者の作業を振り返ります。
「当時の前任者が、長い宛名を書いて、分厚い書類を送っていたのをみて、大変そうだと思っていました」(東海林氏)
そもそも建設業界にはいまだにアナログな慣習が色濃く残っており、同社でも請求書処理の9割近くは紙ベースで行われています。そうした環境の中で、年に一度とはいえ複雑な集計と転記を要する多量排出行政報告は、担当者にとって大きな負担となっていました。
導入の経緯
メール数通のみで前任者からの引き継ぎが完了
マニュアル不要で迷わず報告が可能に
東海林氏が多量排出行政報告の業務を引き継いだのは、前任者の退職がきっかけでした。通常、専門的な知識や複雑な集計を要する行政報告業務の引き継ぎには、一定の期間や詳細なマニュアルの共有が必要です。しかし、東海林氏が受けた引き継ぎは驚くほどシンプルでした。
「前任者とは普段から業務上のやり取りがあり、徐々に事務作業を引き継いできました。ただ、多量排出行政報告については『e-reverse.comから通知メールが届くので、その内容に従って進めれば大丈夫』という説明と、業務の流れを記したメールを2〜3通受け取った程度で、詳しい引き継ぎ期間を設けることなく、担当が交代されることになりました」(東海林氏)
このようなシンプルな引き継ぎで業務が回せたのは、すでにe-reverse.comのオプション機能「多量排出行政報告支援サービス」が導入されていたからです。以前のような紙の書類作成や手作業での集計は必要なく、画面のガイダンスに従って操作するだけで報告業務を完了できる環境が整っていました。
「多量排出行政報告の書類について、詳しい知識がない状態からのスタートでした。しかし『次はここを確認してください』といった自動でガイドしてくれるシステムのおかげで、迷うことなく対応できました」(東海林氏)
導入効果
自動集計により報告業務の負担軽減を実現
事務の効率化が現場の安全にも寄与する
現在、鈴与三和建物では東京都と川崎市への多量排出行政報告を行っています。現場によっては数十通りもの運搬ルートが存在し、その登録作業に丸1日を費やすこともあります。しかし東海林氏は、その作業を苦痛とは感じていません。
「紙の書類で同じことをやっていたら、気が遠くなる作業だったと思います。今はテンプレート機能を使って、画面上の選択肢をクリックしていくだけ。大変というより、パズルを合わせるような楽しさすらあります。一度登録してしまえば翌年からはそのデータを流用できるので、年々作業が楽になっていきます」(東海林氏)
自治体ごとに様式が異なる多量排出行政報告は、マニフェストの数量を一から集計し、それぞれのフォーマットに合わせて転記する作業が発生します。多量排出行政報告支援サービスでは、e-reverse.comに登録された電子マニフェストのデータを自動で集計し、各自治体の様式に合わせた報告書を作成できます。手作業による集計ミスの心配もありません。
「システムが自動で集計してくれるので、数字の食い違いを心配する必要がありません。確認作業に集中できるのはありがたいですね」(東海林氏)
導入当初は操作に戸惑うこともあったが、リバスタのサポートが心強かったと東海林氏は振り返ります。
「最初は自分で解決しようと悩んでいたのですが、思い切ってサポートに電話したら、今まで悩んでいた時間がもったいないほど即座に解決策を教えてくれました。産業廃棄物管理の専任担当者がいない当社にとって、困ったらすぐに聞ける安心感は大きいです」(東海林氏)
東海林氏は一級建築士として現場の施工管理業務を行いながら、工事部内の事務業務も担当しています。業務時間の半分は現場に出向いて進捗確認や検査を行い、残りの半分で事務作業をこなす日々です。
「現場は人の命がかかる場所ですから、安全管理に集中しなければなりません。事務作業の負担が減れば、それだけ現場に向き合う時間が増えます。多量排出行政報告がストレスなく完了できることは、間接的に現場の安全を守ることにもつながっていると感じています」(東海林氏)
今後の展望
「誰でも対応できる体制」が会社の安心材料に
データ活用でさらなる事務効率化にも期待
東海林氏は、多量排出行政報告支援サービスの最大の価値を「属人化の解消」にあると語ります。
「今後、担当者が変わることになっても、『通知メールが届いたらシステムを開き、ワンクリックすれば完了するよ』と伝えるだけで引き継ぎが完了します。特定の誰かしか分からないというリスクがなく、誰でも対応できる体制になっていることは、会社としても大きな安心材料だと思います」(東海林氏)
紙ベースの管理では、書類の保管場所すら分からなくなるリスクがあります。電子データとして蓄積されることで、過去の報告内容をいつでも確認でき、次年度以降の作業にも活用できます。
「データが残っているからこそ、新しい担当者でも過去の経緯を追えます。だからこそ、担当者が変わっても業務の継続性がしっかり担保されるのです」(東海林氏)
年に一度の業務だからこそ、属人化しやすく、引き継ぎも難しくなりがちです。多量排出行政報告支援サービスは、そうした課題を解消し、担当者に依存しない持続可能な業務体制の構築を支援しています。


ユーザー概要
| 社名 | 鈴与三和建物株式会社 |
|---|---|
| URL | https://www.suzuyosanwa.co.jp |
| 事業内容 | ビル・住宅事業(企画・設計施工)、不動産事業(売買・賃貸仲介)、建物管理事業(マンション・ビル管理) |
| 本社所在地 | 東京都港区海岸2-1-16 鈴与浜松町ビル |
| 設立 | 昭和21年(1946年)10月 |
| 代表取締役社長 | 岡部 正治 |
| 資本金 | 9,960万円 |
インタビューご担当者様
工事部
東海林 容子氏

