導入事例

株式会社大林組様【1】

株式会社大林組 現場レポート

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大阪駅JVのみなさま

西日本最大のターミナル・大阪駅で進む「大阪駅改良・新北ビル開発計画」。2004年4月に工事が始まり、グランドオープンは2012年という壮大なプロジェクトだ。

現在は(株)大林組を代表に大鉄工業(株)・(株)竹中工務店・(株)錢高組・(株)淺沼組・(株)奥村組の建設大手6社によるJV(大阪駅JV)で、新たな大阪の玄関口にふさわしい駅に整備する工事「大阪駅改良他工事」が鋭意施工されている。

 

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廃棄物の分別作業中

だが、工事の規模が大きければ大きいほど、排出される廃棄物の量は膨大になり、現場でのマニフェストの管理も大変になる。

この大阪駅JVの現場では、イーリバースドットコム(株)の電子マニフェストWebサービス「e-reverse.com」を採用。マニフェスト管理の効率化を図っている。

果して電子マニフェストWebサービスで、現場の作業はどう変わったのか。大阪駅北口にある大阪駅JV工事事務所の事務担当グールプを訪ね、導入の成果についてお話をうかがった。

大阪駅JV作業所 (2005年7月現在)

電子マニフェスト導入すると聞いたときは、正直、嬉しかった

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事務長(大林組)中井重仁さん

関西の一大プロジェクトである大阪駅の改良工事。大阪駅北口を出てすぐ目の前にある大阪駅JV工事事務所の作業ヤードでは、朝4時と夕方4時30分の1日2回、昼班、夜勤班のJV職員と職長・作業員たちが、それぞれ一斉に工事現場から運ばれてきた廃棄物の分別に取りかかる。いわゆる”履きゴミ”と呼ばれる細かい廃棄物も丹念に選り分けて、鉄くず、コンクリート関係、通常の廃プラスチック、廃プラスチックや塩ビ管関係など、最終的に9種類のコンテナに分別していく。

現場には「混ぜればゴミ 分ければ資源」「徹底しよう分別収集」「ゼロエミッション徹底!」といったスローガンの書かれた看板が掲げられ、作業員への意識の浸透が図られている。

ここでは大阪駅のコンコース改良、ホームの改築、南北連絡通路とホーム上の巨大ドームの基礎工事を担当しているが、大規模な工事だけに、排出される廃棄物のマニフェスト管理も大変な作業だ。

そこで、イーリバースドットコムの電子マニフェストASPサービス「e-reverse.com」による電子マニフェストの運用効果に大きな期待が寄せられている。

「昨年10月に本店管内で最初に電子マニフェストを導入したのがこの現場なんです。ガラ・汚泥を除いた廃棄物の処理を電子マニフェストで管理しています。今後、他の品目についても採用の予定です」と話すのは、大阪駅JV工事事務所の事務グループ長・中井重仁さんだ。

2000年6月に廃棄物処理法が改正され、2001年4月から施行が始まった。改正の目的は、適性で安全な廃棄物処理体制の整備と不正処理の防止で、そのためにマニフェスト(産業廃棄物管理票)制度の運用も同時に強化されることになった。これによって排出事業者は、廃棄物が最終処分場できちんと処理されたことを、マニフェストで確認することが義務づけられたのである。現在のところ、マニフェスト管理の90%以上は紙のマニフェスト伝票を使って行われている。だが、紙マニフェストの場合、排出業者にとっては伝票の回収・照合の手間がかかるうえ、7枚綴りになっている伝票のうちA、B2 、D、E票を5年間保管する義務を負わなければならない。伝票の紛失や記入漏れなどのトラブルも懸念材料だ。

一方、処理業者も、マニフェスト伝票の回付・送付の手間とC1 、C2 票の5年間の保管、そしてやはり紛失と記入漏れのリスクが伴うことになる。

こうしたトラブルを解消するために、マニフェスト管理を電子データで行うのが、電子マニフェストだ。

「最初に電子マニフェストを導入すると聞いたときは、正直、嬉しかったですね。とにかく紙のマニフェスト伝票がなくなるというので、ホッとした記憶があります」と中井事務グループ長は言う。それだけ紙マニフェストは、現場の事務管理者にとって悩みのタネだったというわけだ。

 

施主への報告も、CD1枚で

ところが、産業廃棄物処理法に定められた電子マニフェストの唯一の運用機関であるJWNET(日本産業廃棄物処理振興センター)を直接利用しようと思うと、いくつもの問題点が生じてしまう。まず第一に、JWNETが平日と土曜日の午前8時から午後8時までしか運営していないため、日曜・祝日や夜中の排出に対応できない。また、オペレーションに時間がかかったり、排出業者の多忙さからマニフェスト登録が滞りがちになるケースも考えられる。そもそもJWNETはすべての業界に対応するシステムのため、各業界ごとの要望に個別に対応することが難しいという面もある。

これらの問題点を解決し、建設業界に特化して排出業者にも収運・処理業者にも運用しやすい最適なシステムとして開発されたのが、イーリバースドットコムのWebサービス「e-reverse.com」だ。24時間365日利用可能で、簡単なオペレーション処理とモバイル機器の活用によるリアルタイムのマニフェスト発行を可能にしている。

このWebサービスがあったがゆえに、大林組も、電子マニフェスト導入に踏み切れたといえるだろう。

大阪駅改良工事のこの現場では、作業をスタートした昨年10月から電子マニフェストを導入開始した。中井事務グループ長が言う。

「昨年10月、工事スケジュールでいうステップ1から、試行的に電子マニフェストによる管理を始めました。今年2月からのステップ2からは、施主である西日本旅客鉄道(株)に最終的な了解を得て、本格的に電子マニフェストに切り替えています。ステップ1は試行段階ということで、報告のために施主向けに紙マニフェストを全部コピーして提出していましたが、ステップ2からは電子マニフェストデータを入れたCD 1枚を提出するだけですむようになります」

各ステップごとのマニフェストは、少なくとも数千件にのぼる。その報告がCD 1枚ですむのだから、たしかに効率的だ。施主への報告だけでなく、紙マニフェストの場合、5年間の保管が義務づけられている。膨大な紙マニフェストの保管場所を確保することも現場にとっては頭痛のタネで、それが解消されるだけでも、電子マニフェストの導入効果が実感できるわけだ。

「当初は電子マニフェストに対応していたのは大栄環境さん1社でしたが、今は5社に拡大し、現場から排出される廃棄物のほとんどを電子マニフェストで管理できるようになっています」と中井事務グループ長。電子マニフェストによる管理を確かなものにするため、しばらくの間は、収運・処理業者も限定して運用する予定だという。

 

伝票紛失などのトラブルが解消

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機電グループ主任谷征一さん

電子マニフェストWebサービスは、現場の担当者に対してどんなメリットをもたらしているのだろうか。

この現場でマニフェスト管理を担当している同事務所機電グループ主任の谷征一さんは、その導入効果をこう実感しているという。

「現場としては、電子マニフェストWebサービスは本当に楽です。紙マニフェストの場合、伝票にサインして収運・処理業者に渡し、控えを受け取るわけですが、なにしろ現場での作業中のことなので、ポケットに入れるなどして持ち歩かなければならないから大変なんです。紛失する心配がありますし、現場と事務所が離れているときは、忘れるとわざわざ取りに戻らなければいけないということもあります」

これまで排出事業者には、先述したようにマニフェスト伝票の回収・照合の手間がかかるほか、伝票紛失によるトラブルや記入漏れによるトラブルの可能性があった。また、電子マニフェストを導入しても、JWNETを直接利用する場合には、担当者がJWNETに直接アクセスして入力作業を行わなければならない。忙しくてマニフェスト登録を行う時間がなく、登録作業がたまってしまったり、手の空いた夜間や休日に作業しようと思うと、時間外でJWNETが受け付けてくれないということになる。

それに比べてイーリバースドットコムのWebサービスでは、収運・処理業者のドライバーが積み荷の廃棄物を確認し、モバイル機器で入力。排出事業者の現場担当者がその内容を確認し、4桁の承認IDを入力するだけでマニフェストが発行されるから、現場での手間がほとんどかからない。

そのうえ、こうして登録されたマニフェストデータは、その後の状況把握・管理も簡単だ。インターネットでASP画面にアクセスすると、排出された廃棄物の処理の進捗状況をリアルタイムで確認することができる。配車、積荷、承認、運搬、受入、中間、最終のそれぞれの段階ごとにステータスを示す赤い丸が印され、廃棄物処理が最後まで終わると、該当マニフェストデータを示す1行が黄色く塗りつぶされる。最終処理されたかどうかが一目瞭然というわけだ。また、廃棄物品目名の1つをクリックするだけで、中間処理場名と最終処分地を表示させることもできる。

 

マニフェスト伝票を切らす心配をしなくていいので助かります

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粕谷陽子さん

社内におけるデータ管理の面でも、電子マニフェストWebサービスは大きな力を発揮する。その一つは、登録された電子マニフェストデータを使って、支店や各部署など管轄単位ごとにデータの管理・集計が行えることだ。イーリバースドットコムのASPサイトからマニフェストデータをダウンロードし、そのファイルを表計算ソフトで開いて加工・修正できるから、月次の集計も簡単だ。

事務所でのデータ管理を担当している粕谷陽子さんが言う。

「廃棄物が最終処理されたことの確認は、画面でその行が黄色くなっているかどうかを見るだけですむので、とても簡単です。後は収運・処理業者さんから請求書が来たときに、マニフェストのデータと請求書の内訳を照合するだけですから、作業としては1か月に1日か2日程度ですみます。ASP画面は見やすいし、操作もまったく問題ありません」

また、JWNETを直接利用した場合、マニフェストデータを社内システムで利用するためには、改めて同じデータを入力し直さなければならないが、イーリバースドットコムのASPと自社システムを連携することで、その入力作業も省略できる。そして粕谷さんによれば、電子マニフェストWebサービスに切り換えたことで、ほかにも意外なメリットが生まれたという。

「紙マニフェストの場合、マニフェスト伝票を切らしてしまうと大変なので、正直、気が気ではありませんでした。現場は事務所から離れていますし、夜中にも作業していますから、どの程度の廃棄物が出ているのかがこちらでは把握できません。だから常にマニフェスト伝票を用意しておかなければいけないという緊張がありました。それがなくなったのは、本当にありがたいです」(粕谷さん)

現場ではあらかじめ廃棄物の種類と排出量を想定してマニフェスト伝票を本店に発注しているが、予定通りに行かずに急にマニフェスト伝票が足りなくなることがあったそうだ。

「それからは、そうならないように余裕を見て注文していますので、結局、未使用で終わることも多い。コストの面でも無駄があったと思います」(粕谷さん)

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藤牧純子さん

将来的には、請求事務も電子マニフェストWebサービスの電子データで行えるようにすれば、収運・処理業者のメリットも大きくなり、業界全体の効率アップも期待できる。それには電子マニフェストWebサービスのよりいっそうの普及拡大が必要になるが、「紙マニフェストから電子マニフェストへの流れは変わることはないと思います。国の方針でもありますし、なにより電子マニフェストWebサービスのほうが圧倒的に楽ですから」と中井事務長は確信を込めて語る。

最後に、粕谷さんからデータ管理業務を受け継ぐことになっている事務担当の藤牧純子さんが、笑顔でこう話してくれた。

「一度だけデータの確認作業をさせてもらいましたが、ASP画面の操作はまったく問題ないですね。その前に、産業廃棄物処理業務が初めてなので、まず、そのことに慣れなければと思っています」

案ずるより生むがやすし。紙マニフェストストから電子マニフェストWebサービスに切り替えることで、実際にさまざまなメリットが生まれてきた。現場の人たちのこの”実感”こそが、電子マニフェストWebサービスを拡大・普及させる原動力になっていくに違いない。

 

■ 現場レポート

text/Ryu Daimon
photos/Mitsuru Hirokawa
2005.July.28

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