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電子帳簿保存法

電子委託契約を取り巻く法令② 電子帳簿保存法

前回からかなり時間が経過してしまいましたが、電子処理委託契約サービス「er-contract」に関連する法規の第2回目は、「電子帳簿保存法(電子計算機を使用して作成する国税関係帳簿書類の保存方法等の特例に関する法律)」についてお話しします。

この法律は、国税関係法令で書面の保存等を要求されていた国税関係の帳簿や書類を電子データで保存することを容認するため、国税関係法令の特例として定められたものです。

電子マニフェスト会員の皆様には馴染みのなかった法律かもしれませんが、廃棄物処理法よりもむしろこの法律のほうが「er-contract」の仕様、運用においては大きな影響力があると言えます。

 

 

1.「電子取引」とは:

「er-contract」のサービスは、この法律の概念では「電子取引」ということになります。

では、「電子取引」とは何でしょうか。

この法律による「電子取引」の定義は、「取引情報の授受を電磁的方式により行う取引をいう。」(第2条第6号抜粋)という簡単なもので、「電子取引」として電子データによる契約内容の保存等が認められるための具体的な要件は財務省令に規定されています。

 

2.「電子取引」の要件:

まず、「電子取引」を行うためには、以下の二つの方法のうち、いずれかの措置を行わなければならないことが財務省令(第8条)で規定されています。

(1)  電子署名及びタイムスタンプの利用

(2)  正当な理由がない訂正及び削除の防止に関する事務処理の規程の制定、運用

 この法律は、適法に成立した「電子取引」の内容の訂正(契約変更)や削除はみだりに行われるべきではなく、これを安易に許容するような運用は認められない、という理念に基づいて成立していると思われます。

 上記の(1)、(2)の方法は、この理念を実現する措置ということになりますが、「er-contract」では、(1)、(2)いずれにも対応しています。

ここで、まず(1)の「電子署名」(注)と「タイムスタンプ」について簡単にご説明します。

前者はいわば電子の印鑑で、その印鑑が本人のものであることを、後者はいつ印鑑が押されたかを、それぞれ第三者機関が証明してくれるもので、この二つの技術を組み合わせれば、誰が、いつ文書を作成し、作成されてから改ざんされていないということを証明できることになります。

また、(2)については、「er-contract」ではユーザー様が行う操作で訂正、削除を行うことができなくなっています。

こう書くと「er-contract」を既にご利用いただいている会員様は不思議に思われるかもしれませんが、「er-contract」で行う契約変更の操作では、その都度、新たな契約書のファイルが生成されるため、財務省令に言う「訂正」には該当しないのです。

「er-contract」では、原則として「訂正及び削除」が行われないことを「事務処理の規程」、すなわち会員規約の中で明記し、かつ、その安全、確実な運用を担保するために電子署名とタイムスタンプを利用しているというわけです。

その他に、この法律に規定される要件として、見読性(ディスプレイ等に整然とした形式で、明瞭な状態で表示されること)、検索性(記録項目によるデータの検索が可能であること)、操作説明書の備付けなどがあります。

これらはいずれもASPサービスとしては不可欠な仕様ですので、ここでの説明は省略させていただきます。

 

3.「電子取引」と電磁的記録・マイクロフィルムによる保存他:

会員様から実際にあったお問合せに関して、この機会に少しご説明します。

この法律によって電子データでの保存等が可能になるものには、大きく二つの種類があります。

これまでご説明してきた「電子取引」による電子データと、もうひとつ、税務署長への申請手続を経て認められる、一部の国税関係の帳簿・書類の電子データやマイクロフィルム、また、紙媒体で授受された一部の請求書・領収書のスキャンデータがあります。

以前、ある会員様から「「er-contract」の利用にあたっては、税務署長への申請が必要か?」とのお問い合わせを受けましたが、「電子取引」の場合、すなわち「er-contract」のご利用にあたっては、税務署長に対する申請は不要です。

(注) この法律では「電子署名」の要件について明文の規定はありませんが、電子署名法(電子書名及び認証業務に関する法律)に規定される「特定認証業務」を行う第三者機関(特定認証局)が提供する電子書名サービスを指すという見解もあるようです。

この特定認証局制度は、厳しい本人確認の手順と一定の技術水準を満たすことにより主務大臣の認定を受ける制度で、特定認証局によるサービスは非常に信頼性の高いものですが、ユーザー様の経済的負担も大きくなりがちです。

  弊社が「er-contract」でセイコーソリューションズ様から提供いただいている電子書名サービスは「特定認証局」のサービスではありませんが、事実上の国際標準規格と言える「WebTrust」(ウェブトラスト)の規準を満たしています。

暗号強度を例にとりますと、「WebTrust」で要求されるそれは、現時点では「特定認証業務」において要求されるそれよりも高いもので、安心してご利用いただける規格です。

 

それでは、次回は印紙税法と電子契約の関係についてお話ししましょう。

 

 

文責:株式会社イーリバースドットコム 芥田充弘

 

 

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