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産業廃棄物の保管基準とは

産業廃棄物の排出事業者は、排出した産業廃棄物が運搬されるまでの間、周囲の生活や環境に影響を及ぼさないよう、それらを保管しなければなりません。そして保管の方法についても、廃棄物処理法によって基準が定められており、これらを遵守しなければならないとされています。ここでは、産業廃棄物の排出事業者の産業廃棄物の保管基準や保管の方法について、詳しく解説していきます

「産廃担当者が知るべき廃棄物処理法」を1冊にまとめました

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「産廃担当者が知るべき廃棄物処理法」を1冊にまとめました

新しく産廃担当者となった方向けに、廃棄物処理法を中心に知っておくべきことを簡単に紹介します。

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1. 産業廃棄物の保管基準

産業廃棄物を保管する場合、廃棄物処理法で定められた8つの保管基準を守らなければなりません。8つの基準は、例えば「産業廃棄物が飛散したり流出したりしないようにする」「ねずみやハエなどの害虫が発生しないようにする」といった、保管をするのであれば当然行うべきとイメージができるものが中心ですが、中には特殊な条件のものもあります。

その代表的なものが、「囲いの設置」と「掲示板の設置」です。以下に詳しく解説していきましょう。

囲いの設置

産業廃棄物の保管基準では、保管場所の周囲に囲いを設けなければならないとされています。保管の際、産業廃棄物を単に一ヵ所にまとめておけば良いというわけではないので注意しましょう。また保管する産業廃棄物の荷重が囲いにかかる場合には、囲いの構造耐力についてもしっかりと検討・対策し、安全な環境を作っておかなければなりません。

掲示板の設置

産業廃棄物を保管する際は、そこが保管場所であることを示した掲示板を設置しなければなりません。この掲示板についても、サイズや記載事項などが細かく定められているため、漏れなく対応するようにしましょう。

保管基準の特例

産業廃棄物の処分をするために保管する場合、1日当たりの処理能力の14倍というのが、保管数量の上限と定められています。これを「基本数量」と呼びます。しかし、ある一定の条件下では特例が認められており、保管上限が引き上げられる場合があります。特例が適用される条件は以下の通りです。

  • 船舶を用いて産業廃棄物を運搬する場合に、船舶の積載量が処理能力の14日を超えるとき
    →保管上限=船舶の積載量+基本数量×1/2
  • 処理施設の定期点検などの期間中に産業廃棄物を保管する場合
    →保管上限=1日の処理能力×点検等の日数+基本数量×1/2
  • 建設業によって排出される産業廃棄物の再生を行う処理施設において、再生のために保管する場合
  1. 木くず、コンクリートの破片の保管上限=1日の処理能力×28
  2. アスファルト・コンクリートの破片の保管上限=1日の処理能力×70
  3. 廃タイヤの処理施設が豪雪地帯指定区域内にあり、そこで廃タイヤを11月から翌年3月までの間保管する場合
    →保管上限=1日の処理能力×60
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2. 産業廃棄物の保管について

産業廃棄物はフレコンバッグ、ドラム缶、コンテナ、一斗缶などを用いて保管します。荷姿によって保管方法の注意点が異なるため、その内容を解説していきます。

フレコンバッグでの保管

フレコンバッグ(フレキシブルコンテナバッグ)はポリプロピレンなどの布でできているため、保管前に袋やベルト、ロープの破損がないかを確認します。また、屋外でフレコンバッグを保管している場合は紫外線による劣化が生じている可能性があります。複数回使用しているフレコンバッグに関しても、経年劣化が生じている場合があるため、不具合がないかを事前に確認してください。破損や劣化があるフレコンバッグを使用すると、中に収納した産業廃棄物が飛び出したり、ロープやベルトが切れて落下事故につながったりしてしまうため十分注意が必要です。

汚泥などの水分を多く含む産業廃棄物を収納する場合は、積上げ保管を避けなければなりません。積上げの自重によって汚水が染み出し、流出してしまう可能性があるためです。なお、フレコンバッグをコンテナに保管し、汚水が流出しない環境が構築できている場合は、積上げ保管しても問題はありません。

木くずや金属片、コンクリートくずなどの固く尖った産業廃棄物は、フレコンバックを突き破り破損させてしまう可能性があります。パレットの上に置くなど、運搬時に破損してしまうことを防ぐようにしてください。フレコンバッグは崩落防止や破損防止の観点から、2~3段(2~3m)までの積み上げ高さとします。腐敗の恐れのある産業廃棄物の場合は、2段積みまでとします。

ドラム缶での保管

汚泥などの水分を多く含む産業廃棄物で、汚水の流出や発火が懸念されるものに関しては、ドラム缶に保管します。草木類、落葉落枝などの腐敗性の基準適合特定廃棄物で、特に腐敗のおそれが高いものは、蓄熱のおそれがあるため耐熱性に優れた蓋つきのドラム缶を使用することが望ましいです。

ドラム缶は屋外で長期間保管すると、腐敗や破損が生じている可能性があるため、事前に痛みがないか十分に確認します。
溶剤系の廃油や有機性廃溶液といった低沸点の液体、ガスが発生しやすい液体を扱う場合は、ドラム缶が膨張したり爆発したりするおそれがあるため、周囲の温度環境にも配慮する必要があります。また、腐食性のある廃酸や廃アルカリは鉄製のドラム缶に入れることができないため、プラスチック容器を選択する必要があります。

コンテナでの保管

後の運搬を考慮して着脱式コンテナに産業廃棄物を収納する場合、天井部分の覆いがないので、飛散・流出・浸透・悪臭防止と雨水侵入防止のために、防水シートで天井を覆う必要があります。

一斗缶での保管

ドラム缶ほどの容量はいらない廃油などの産業廃棄物の場合、一斗缶を使用することができます。ただし、液状廃棄物を保管する場合は、ふたを密閉できる一斗缶を使用しなければなりません。

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