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廃掃法の概要(法律の成り立ち)

廃棄物処理法の解説をはじめます

これから約半年にわたって当社主要サービスの電子マニフェスト、電子委託契約にまつわる『廃棄物の処理及び清掃に関する法律』(今後、廃棄物処理法、廃掃法、法などと略させていただきます。条文を引用する場合など、特に注釈がない場合には同法のことを指します。)について、解説していきたいと思います。

「産廃担当者が知るべき廃棄物処理法」を1冊にまとめました

お役立ち資料

「産廃担当者が知るべき廃棄物処理法」を1冊にまとめました

新しく産廃担当者となった方向けに、廃棄物処理法を中心に知っておくべきことを簡単に紹介します。

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解説とはいいましたが、わたし自身、前職から企業法務に7年ほど従事していますが、その間、廃掃法を含めた環境法といわれる分野に関して触れることはほとんどなく、まだまだ勉強中の身です。社内外からの問い合わせに対しては、法文はもちろんのこと、関連する行政機関への問い合わせや各種文献の確認を都度行い、正確に、理解しやすく、できるだけ平易な言葉で迅速に回答できるよう心掛けています。

 

このページをご覧いただく方にとっては、既にご存知の事柄も多いかとは思いますが、実務のお役に立てるよう、徐々に内容を充実していければと思います。また、記載内容については細心の注意を払っておりますが、不正確なところや誤った理解を示してしまうことがあるかもしれません。その時は、(そっと優しく)ご指摘いただければ幸いです。

 

廃棄物処理法は何を定めた法律か

さっそく第一回のテーマですがそもそも『廃掃法とはなにを定めた法律か』というところから入っていきたいと思います。何を定めているのかを知るためには、まずは法律が制定された目的、これまでの改定経緯を知ることが理解の助けになるのではないでしょうか。

 

法律の目的

現在の廃掃法は、1条で

『この法律は、廃棄物の排出を抑制し、及び廃棄物の適正な分別、保管、収集、運搬、再生、処分等の処理をし、並びに生活環境を清潔にすることにより、生活環境の保全及び公衆衛生の向上を図ることを目的とする。』

と定めています。

 

ここでは、

・廃棄物の排出抑制、

・廃棄物の適正な処理(分別、保管、収集、運搬、再生、処分等)、

・生活環境の清潔保持、

という3つの手段によって『生活環境の保全、公衆衛生の向上』という目的を達成しようとしています。

 

では、過去はどのようなことを目的としていたのでしょうか。

現在の廃掃法の前身である清掃法(1954年制定)では、

『汚物を衛生的に処理し、生活環境を清潔にすることにより、公衆衛生の向上を図ること』

1970年制定当時の廃掃法では、『廃棄物を適正に処理し、及び生活環境を清潔にすることにより、生活環境の保全及び公衆衛生の向上を図ること』と定めていました。

1991年の法改正での目的は先ほど挙げたとおりです。

 

昭和29年、主に都市部の家庭から出る汚物を対象として衛生的に処理することを定めた清掃法からはじまり、昭和45年、高度経済成長に伴い増加した産業系の廃棄物の適正処理を定めた廃掃法の制定、そして、平成3年には適正処理に加えて廃棄物の排出抑制が加わるとともに、処理に関しても分別・再生が加わり、排出自体を抑制することやリサイクルも処理の一つとして加わりました。

それぞれの時代背景を汲んで廃棄物に関する法律の目的も少しずつ変化してきていることが分かります。

 

法律の構成

次に、現在の廃掃法の条文構成を確認したいと思います。

廃掃法の章立ては、

【第1章総則】、 【第2章一般廃棄物】、【第3章産業廃棄物】、【第4章雑則】、【第5章罰則】

となっており、また、条文は、1条から34条まであります。

ただし、第12条の2、第12条の3など枝番号が多く、全体では150を超える条文数から成り立っており、なかなかに複雑な法律です。

 

法律本文のほか、施行令や規則ではより具体的なルールが示されておりますので、それらも合わせますとさらに膨大な条文数となります。通知や各自治体の定める条例などを含めて、ある事象に対して、そのルールがどこに示されているか、正確に辿り着くだけでも一定の専門性が要求されるように思います。

 

次回は、廃掃法で登場する主体についてお話していきたいと思います。

以上

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